借金苦と返済相談・債務整理

借金苦に陥った原因

01-01 なぜ借金苦になるのか

多くの人が「借金をしても、一時的なものだからすぐに返済できる」と考えており、債務整理や自己破産といったニュースは自分とは関係のない事として捉えています。クレジットカードを利用した買い物にしても、必要なものを購入するための手段として利用していると殆どの人が答えることでしょう。しかし、現実には余力を持って利用出来る範囲と本来カードが持っている利用可能範囲との間に大きな誤差が生じています。
大きな買い物をしてしまった・いつもよりも使いすぎてしまったということは誰にでも起こります。その際、頼りになる知人や身内がいない場合には、クレジットカードが持つキャッシング機能、つまり小口の借金で返済を賄う人もいます。もう二度としないと誰しもが思うのですが、幾度となく繰り返すうちに、借金ではなく預金があるように感覚が麻痺してしまう状況に陥る人が出てきます。
感覚が麻痺してしまうと、物品の購入や残高の支払いのために利用していたキャッシングが、現金を得るための便利な機能に変わってしまいます。その後はショッピングもキャッシングも可能なだけ利用を続け、これ以上借りられないとなると新たなカードを作ってはその繰り返しです。挙句に返済のための借金利用も始まり、消費者金融など金利が高くても借りられればどこでも良い状態になってしまいます。中には違法な高金利で融資するヤミ金融にまで手を出す人もいて、こうなってしまっては後に引くことが出来なくなり、いつまでも借金を減らすことができません。

01-02 債務整理の原因は連帯保証

貸金業法が改正されたことにより、年収の1/3を超える借入は出来なくなりましたが、それによって債務整理する人が大幅に減るかというと、そう簡単にはいきません。日弁連などの調査によると、自己破産などの債務整理をした人の25%程度は連帯保証人になってしまったことが原因なのです。多くの人は、「最初から連帯保証人にならなければ良いのでは」と思うことでしょう。それくらい、自分とは無関係の出来事だと捉えているのですが、連帯保証制度は私達のかなり身近なところでも利用されています。
住宅ローンでは、配偶者が連帯保証人になることは珍しくありません。例え離婚しても保証人を外れることはありません。過去に恩義のなる人から絶対に迷惑を掛けないと頼まれて断りきれない、仕事上の取引を引き合いに出しながらの取引先からのプレッシャーなどやむを得ず保証人を引き受けてしまうこともあるのです。
連帯保証人になると、債務の返済責任が債務者本人と同様に発生します。債権者は債務者と同じように連帯保証人に弁済を要求してきます。自分は一銭もお金を借りていないにも関わらず、借金したことと変わらない扱いを受けるようになってしまうのです。
連帯保証人を引き受けたことで自己破産になるくらいなら、たとえ依頼者に恨まれても引き受けないのが一番なのは確かです。そのためには、過去に債務整理の経験がある・身内が引き受けて大変なことになったなど、相手が頼み難くなるような理由で断るようにしましょう。引き受けるに当たっての保証料を要求するのも良いかも知れません。

01-03 ギャンブル依存で借金苦

自分がギャンブル依存症であると自覚している人は多くありません。止めようと思っても意思が弱くて止められない程度にしか捉えていない人が大半です。しかし、ギャンブルはアルコールやニコチン、薬物のように経済的にも精神的にも、そして社会的にも問題があると分かっていても止めることが難しいものです。
ギャンブルは続ければ続けるほど負ける仕組みになっていますが、たまに僅かな資金で大きな勝ちを手に入れることがあります。一度でもそのような経験をしてしまうと、その快感が忘れられなくなり、「今度こそは」と負けを取り返そうとします。それが何時の間にか預金や生活費までつぎ込み、それでも足りずに借金してしまいます。例え勝っても、更に勝とうとの思いが強くなり、益々止めることが出来なくなってしまいます。
ギャンブル依存症はWTOも認めている病気です。借りるだけ借りて、これ以上借りる先がなくなって、ヤミ金に手を出してしまっては最悪です。そうなる前に病気をきちんと治し、借金も整理する必要があります。
債務整理の一つである自己破産はギャンブルによる借金の場合には認められません。任意整理や個人再生など別の手段を用いることになりますが、自己破産のように借金が棒引きになることはなく、必ず返済しなくてはなりません。ギャンブル依存症は当人が自覚しても、自分で自分の意思をコントロール出来ない限り、再発の危険がある厄介な病気なのです。借金は無くならないと強く意識して、病気に立ち向かいましょう。

01-04 少額なのに借金苦

改善の気配が見えない景気低迷は、多くのサラリーマンの生活に影響を及ぼすようになり、大きな金額を借りた訳でもないのに借金で生活が苦しいと悩む人が増えてきています。少額の借金がどうして生活を苦しめる結果になったのでしょうか。
給料やボーナスが下がったことにより、毎月の生活が厳しくなる家庭は増えています。残業代も満額払ってもらえることがなくなり、毎月の生活費の不足分をクレジットカードのキャッシングを利用して補おうと考える家庭が出てきても不思議ではありません。
借りるということは返さなければなりませんし、元本に利息をつけての返済です。クレジットカードを利用したショッピングは変わらずに続けていたとすると、毎月の返済額が減ってしまった収入に占める割合はかなりの大きさになっています。
この状態を断ち切ろうと、消費者金融へ借入を申し込みます。カットされていても支給されるボーナスで返済すれば何とかなるだろうと考えたからです。前年の所得証明から審査が行われるので借入に問題はありません。
これが所謂「マワシ」と呼ばれる、借金返済のための借金なのです。消費者金融の金利はクレジットカードのキャッシングと比べても割高です。ボーナスで返済しきれるとも限らず、仮に完済できても、すぐに生活費が足りなくなってまた借金の繰り返しです。数年後には消費者金融の借入も限度額いっぱいになってしまうでしょう。そうなる前に専門家に相談して現在の生活を見つめ直し、抱えている借金を整理する努力をしましょう。

01-05 「インターネット」ヤミ金で借金苦

改正貸金業法が施行され、貸金業界の淘汰や再編が進んでいます。総量規制が導入されたことによって、借りたいのに借りられない人も増えています。その結果、ヤミ金業者がゾロゾロと発生してきているようです。
これまでのヤミ金業者は、スポーツ紙や週刊誌・電柱広告などによる告知や債務整理をして官報に名前が載った人へのDMなどで勧誘を図ってきましたが、インターネットや携帯電話が発達してきたことで、掲示板やメルマガなどを利用した新しい勧誘方法が目立ってきました。大手の掲示板サイトには、多重債務者や破産経験者にも好条件で融資可能といったような内容のスレッドが普通に立っており、背後にヤミ金業者がいる可能性があると指摘されています。
通常では考えられないような好条件での融資の場合、ヤミ金の可能性が高いので無視する人が殆どですが、あらゆる情報が氾濫しているインターネット上では、追い込まれて藁にもすがる思いの人や借金に関する知識の少ない人などを巧妙に誘い込むように勧誘しています。うっかり騙されないように気をつけましょう。
改正された貸金業法が成立する以前から、ヤミ金業者の増加は懸念されていました。そのため従来よりも厳しい取締りが行われるようになったのも事実ですが、インターネットではすぐに該当者が特定されないように複数のシステムを経由していることもあって、追い付かないのが現状です。
つまり、自分のみは自分で守るしかないのです。借りる前には返済計画をしっかりと考えてるようにしましょう。

01-06 悪徳業者によくあるパターン

お金が必要でも既に借入は限度額いっぱい、これ以上の借入が出来ないはずなのに好条件での借入が可能なチラシを見つけてしまった場合、それはもう悪徳業者に引っ掛かる寸前です。このような状態でチラシの連絡先に電話をしてしまうと、後はお決まりのパターンが待っています。
電話に出るのは大抵が若い女性であり、審査の為に必要だからと名前や住所・電話番号・勤務先を聞かれます。丁寧な応対に怪しいと思いつつも返答してしまいます。ここまでくると相当に強い気持ちを持たないと断ることは不可能です。
直後に電話が鳴って、今度は男の声で馴れ馴れしく、「審査した結果、かなり借入があるようだから当社では貸せないが、知り合いの業者で貸してくれるように頼んでおくからそこへ行ってほしい」と連絡があります。もちろん、実際に審査などしているはずがありません。これは危険だと断ろうとすると、審査に掛った手数料を要求したり、勤務先に損害賠償請求をするなどの脅しにかかります。
脅しに屈服してしまい、指示通りに知り合いの業者に行ってしまうと完全にアウトです。あっという間に多額の借金を新たに背負わされ、その内の半分を手数料として持っていかれてしまいます。被害を警察に届け出る頃にはその業者は跡形もなく、借金だけが残されて自己破産するしかなくなってしまいます。
これは一例であり、他にも様々な方法を駆使する悪徳業者が存在しています。甘い誘惑には必ずウラがあることを自覚し、決して騙されないようにして下さい。

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